2017年1月16日月曜日

テレキャスターのブリッジついての考察。 ブリッジの種類と音質について

エレクトリックギターの代表的モデル、テレキャスター。
最初に生まれたエレクトリックギターと言われています。
テレキャスター、レスポール、ストラトキャスターがエレクトリックギターの三大的なモデルとして「エレキ」というイメージを形作っているといっていいでしょう。

その中でもテレキャスターは一枚板の無骨なデザインとジャキッとした独特の鋭い音でコアなファンを掴んでいます。
歴代のギタリストを見ていてもレスポールやストラトをメインにしているプレイヤーは他のギターも割合良く使う気がします。
例えばレスポール弾きなら曲によってストラトも弾いていたりしますが、テレキャスター弾きはそうでなく、かたくなにテレキャス一本という人が多いように思います。

今回はそんなテレキャスターのブリッジについての考察を書きたいと思います。
昨今はギターのデザインもクロスオーバー化が進んでいてテレキャスにシンクロナイズドトレモロやフロイドローズが載っている機種も出てきました。
音色の特徴なども合わせてタイプ別に紹介しましたので楽器選びやサウンドメイクの参考にして頂ければと思います。

オーソドックスタイプ
テレキャスターの基本的な仕様で金属プレートとブリッジが一体式、弦はボディの裏から通すというタイプです。
実はこの金属プレートがテレキャスターのジャキジャキ感に繋がる高域をもととなっています。
弦の裏通しによる十分な弦テンションと相まってテレキャスらしいトーンを形作るのに書かせないパーツとなっています。

•3点式ブリッジ

最もトラディショナルなテレキャスターのブリッジです。
一つの駒で弦を2本ずつ、計3個の駒で弦を支えているブリッジです。

オクターブチューニングを個別に合わせることができないので平均を取って合わせていくことが必要になります。

•6点式ブリッジ

上記の3点式ブリッジの難点を解消するためにブリッジの駒が6個全部独立して調節できるように改良されたものです。
現在では廉価モデルでも採用されていますのでよほどヴィンテージルックス/仕様にこだわらない限り、6点式の方がよいと思います。







トレモロユニットタイプ
バネの力で弦のテンションを可変することにより、音程を演奏中にある程度かえられるようになっている機構です。
ビブラートやロックでよく聴くズギューンというサウンドはこのトレモロユニットによるものです。

•ビグスビー

以外と古くからあるバリエーションです。
結論からいうとこのビグスビー、機構的にかなり安定感に欠け、チューニングがよく乱れます。
加えて音程の可変域が狭いのでふわふわくらいにしか揺らすことができません。

また弦のテンションもかなり緩くなるので、テレキャスの硬質な成分がずいぶん減ってしまいます。
よほどこの見た目が好きで音に目をつぶろうという決心がなければ厳しいでしょう。


•シンクロナイズドトレモロ

ストラトキャスターに載っている機構です。
トレモロとしての使い勝手はジミやベックのプレイで聴かれる通り十分なものとは思います。
しかしシンクロナイズドトレモロの真価はボデイ裏に組み込まれたバネによる音質の変化だと思います。
このバネによって音が反響することにより独特のリバーブ感が音に載ってきます。
ストラトの硬質ながらもどこかホローボディっぽい感じの音はこのバネによる効果が大きいです。

つまりストラトの音に近くなるということですね。
ボディ材もほぼ一緒ですし。
この仕様のラインナップは限られているので、ならばストラトの方が値段や色の選択肢も多いのでいいのではないかと。

テレキャスとストラトの中間の音を狙いたいというニッチな要求に応えてくれる仕様ではあると思います。

•ロック式トレモロ

フロイドローズを代表とする、アーミング時のチューニングの狂いをなくす為に弦をロックする機構を盛り込んだトレモロユニットです。
ここまでのお話で推察頂ける通り、ブリッジの機構は音に大きな影響をもたらします。
ロック式トレモロもまた然り。
ロック式トレモロの音になります。
また見た目もかなりメタルっぽくなります。




僕の考えをまとめると、トレモロが載った「折衷もの」は他のタイプの楽器の性質が混ざり込んでくるので、本来のテレキャスターのキャラが少し薄まってきます。
その混ざり合った具合のキャラを中途半端と取るか、どちらでもない独特の音と取るかですね。
長所と短所は表裏一体なのです。
それはもちろん面白いキャラクターであることにかわりはないのでそれを積極的に自分の音として使っていくという意識で使うことですね。

見た目、音ともにベーシックなテレキャスターを求めるのであればオーソドックスな金属プレートの6点式ブリッジがベストな選択かと思います。