2017年1月23日月曜日

ブルーズギターの礎、King Of Blues, BB.Kingの魅力。

Editor : Yosuke Hayashimoto

ブルーズ界の重鎮の一人、BBキング。
エリック•クラプトンとのコラボレーションもあり、日本においては一番知名度の高いブルーズマンではないかと思います。

BBキングはT•ボーン•ウォーカーに端を発するモダンブルーズを完成させた一人。

エレキギターのシングルノートプレイでソロを弾く、というスタイル確立させ、エリック•クラプトンを始めとしたブルーズ/ハードロックのミュージシャンに大きな影響を与えました。



今回はそんなBBキングの魅力についてビブラート、声、ギターの音使いの3点から迫ってみたいと思います。



美しいビブラートとチョーキング

ビブラートとチョーキングというエレキギターならではの奏法を最も美しい形で体現した最初の一人だと思います。

チョーキング、ビブラートともに大切なのはそのニュアンス。
どのようなニュアンスが美しいのかはBBキングのプレイが教えてくれるでしょう。

言葉で表すならばおおらかで甘い。
キュンとさせられるようなチョーキング。
メロウに優しく揺れるビブラート。

アルバート•キング、フレディー•キングが豪快というイメージなのに対しBBは本当にスウィート。
この甘いニュアンスはロック界まで視野に入れてもBBだけではないでしょうか。

とはいえ近年のクラプトンのチョーキングはかなりBBっぽいですね。
キャリア初期はフレディー•キングでしたが。

大きな手をガッと開いて豪快に揺らす様は貫禄十分。
彼のビブラートをまねする時は小指で大きな弧を書くように回転させるといいうまくいくと思います。

ビブラートはとにかく焦らずにゆっくるゆらすこと。
ゆっくりと腰の据わった揺らぎが心地よいビブラートの秘訣です。


ゴスペルルーツの表現豊かな歌。
ブルーズマンはみんな唄います。
歌声もブルーズマンにとっては大事な武器の一つ。
BBの歌はゴスペルをルーツとしていてとても朗々と力強く響きます。
ときおり混ざるファルセットも表現に彩りを加えています。

How Blue Can You Get?で聴かれる奥さんと自分のやり取りを落語のみたいに一人二役で歌うところは名シーンのひとつ。


メジャー系の音を織り交ぜた音使い。
ブルーズギターといえばマイナーペンタですが、BBはメジャーペンタの音もよく使います。
メジャー3rdやメジャー6thの音を織り交ぜてふわっと明るい雰囲気を演出しています。
BBのメロウさはこのメジャー系の音使いにもあると思います。

このあたりの音使いはクラプトンによく受け継がれていてクリーム時代からよく聴かれます。


こちらがペンタトニックスケールのポジション図です。
黒丸がマイナーペンタトニックのポジション。
ロック、ブルーズでは必須のスケールですので、覚えていないという方はぜひこの機会に覚えてみてください。
二重丸がBBがよく使うメジャーペンタの音です。

マイナーペンタのフレーズに二重丸で示した明るいメジャーペンタの音を要所要所で織り交ぜていくことでカラフルな色合いのフレーズが作れます。
スローブルーズなんかの際にはぜひやってみてください!

2016年、ついに天に召されてしまった御大。
現在のロックにまで繋がるギターの礎を作った一人です。
BBのスローブルーズにどっぷり浸かってみてください!